ヒューマンライブラリーとは文字通りには「人間図書館」です。お互い異なる文化的背景や、身体、考え方などを持った人々を生きた「本」として迎え、「読者」との対話を通じて、多様な生き方を認め合う、多様性に対して開かれた社会の実現をめざす試みです。
2000年にデンマークで始まり、欧州、北米、オーストラリアなど世界各国で行われています。日本では、様々な大学、団体、個人によって行われ、東京学芸大学でも2016年以来、4回ヒューマンライブラリーを開催しました。ヒューマンライブラリーで「本」になってくださる方は、在日外国人(難民、イスラム教徒、留学生)、セクシュアルマイノリティ、障がい者、教育支援者など多種多様な方がいらっしゃいます。具体的には、読者が「本」のリストから選び、その時間に「本」の語りを聞きにいきます。学芸大では、1冊の「本」につき、1~5人の読者が語りを聞くシステムで、30分ずつ、4、5回の語りがあり、最後に全体の交流会が行われます。読者は、学内の教職員学生だけではなく、広く地域や一般に呼びかけて行われています。
リーダー:岡智之(東京学芸大学教授)